当院の精神科デイケアについて
当院の精神科デイケアは平成14年9月に開設されました。
1日約30名の利用者がおり、それぞれの目標の達成を目指して通所しております。
対象疾患は主に統合失調症や気分障害、自閉症スペクトラム障害、アルコール使用障害です。
*認知症疾患を対象とする高齢者向けのデイケアではございませんのでご注意ください。
利用される方の目的例
- 規則正しい生活をする
- 仲間作りをする
- 自分に合ったお薬の効果や飲み方を考える
- 健康的な生活(血圧&体重測定、食事や運動、ダイエット)を学ぶ
- 自分の症状や、その対処方法について学ぶ
- 自分が今、困っていることを整理する
- 家から出て気分転換をする
- 就職や復職の準備をする
- 趣味を見つける など
デイケアの場所
デイケアは北館1階の神経精神科外来に隣接しています。
デイケアは神経精神科の一部です。下の図にある部署と連携しながら治療を行います。
デイケアで働く職種
デイケアでは、様々な職種が特性を活かしサポートさせて頂きます。
- 医 師 :治療の責任者
- 看護師 :受診や服薬へのアドバイス。身体や体調の相談など
- 作業療法士 :様々な活動を用いた認知機能や作業能力の向上など
- 精神保健福祉士:就労、年金など各種申請。市役所や事業所への同行
デイケアご利用の流れ
①主治医の処方
↓
②デイケア初回見学(施設案内とアセスメント面接実施)
↓
③デイケア初回面接(利用目標と計画を設定)
↓
④デイケア利用(初回面接で設定した目標をもとに利用を開始)
↓
⑤再評価(目標を達成できているか、スタッフと確認)
↓
⑥デイケア終了に向けての準備
デイケアと併用し仕事や趣味活動など病院外の場所へ徐々に移行することが望ましいとされています。デイケアでは、地域資源と協力して取り組んでいます。
利用料金について
利用時間や自立支援医療の有無で料金が大きく変わります。
初回面接の際にスタッフから説明させて頂きますので、お気軽にご質問ください。
デイケア
- 条件:6時間程度の利用
- 食事提供:可能
ご利用料金(1回につき)
通所期間 | ご利用料金(1回につき) | |
自立支援法+医療保険 | 生活保護 | |
1年以内 | 820円 | 0円 |
1年越え | 770円 | 0円 |
3年超で週4以降 | 700円 | 0円 |
ショートケア
- 条件:3時間程度の利用
- 食事提供:不可能
ご利用料金(1回につき)
通所期間 | ご利用料金(1回につき) | |
自立支援法+医療保険 | 生活保護 | |
1年以内 | 420円 | 0円 |
1年越え | 400円 | 0円 |
おおまかなデイケアのスケジュール
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
08:45 | 受付開始 | ||||
09:30 | 朝の会 | ||||
09:40 | 当事者研究 | 木工/陶芸 書道/合唱 | 農耕(季節限定) 調理活動 | 対人関係トレーニング | 就職・復職支援 |
12:00 | |||||
12:00 | 昼食・休憩・昼の会 | ||||
13:00 | |||||
13:00 | 対人関係トレーニング | スポーツ | 就職・復職支援 | 当事者研究作り/心理教育 アロマセラピー | リラックス運動 |
14:45 | |||||
14:45 | 帰りの会 | ||||
15:00 | |||||
15:00 | のんびりフリータイム | ||||
16:00 | デイケア終了時間 |
場合によって変更することがあります。
2023年
精神科デイケアの効果を理解していただくために
突然ですが、皆様は風邪の対処方法や予防策を思いつきますか?
病院にかかる、薬を飲む、よく寝る、うがい・手洗いを徹底する等が思いつくでしょう。
また、風邪のときに、家族や友人はどのような看病をしてくれるでしょうか?
体調を気遣ってくれたり、食栄養のある物を買ってきてくれたりと様々思い浮かぶと思います。
また、悪化してしまう関わりもわかると思います。
では、風邪を精神疾患に置き換えて考えてみましょう。
あなたが精神疾患になったらどう治したり、どう予防したり、どう看病されるでしょうか?
おそらく風邪のときのようにスラスラと答えられないと思います。
なぜなら、精神疾患になったことがないのでイメージが出来ないからです。
熱も出ないし、咳も出ないので自分も周りの人も病気になったかわかりにくいのです。
当院のデイケアでは、ご利用して頂いた方に自身の治し方、予防の仕方、周囲との関わりで大切なことを自分の言葉で伝えられることを基本として治療を行っていきます。
治療目標を達成するための6本の柱
デイケアでは6つの治療要素を意識してプログラムを作っております。
薬物療法
どうして薬を飲むと良いのか、今の薬が自分に合っているかなどを話し合います。
また薬を飲みたくないなどの気持ちもみんなで共有し、出来るだけ負担の少ない方法を探します。
認知機能トレーニング
精神科の病気の多くが認知機能の低下を招きます。
認知機能が低下すると今まで出来ていたことが上手くいかなかったりします。
当院では一般就職や復職目的でパソコンを用いたプログラム(J-cores)を行っています。
対人関係トレーニング
「頼む」「断る」など生活で起こりうる場面を想定し、生活技能訓練(SST)を用いて行います。
当事者研究
北海道で生まれた手法で自分自身の専門家になることを目指します。
苦労のパターンを見つけ解決方法ホームワークなどの実験を通し見つけていきます。
生活習慣
睡眠や食事、運動の効果について学び実行します。
服薬だけでない治療をご紹介します。
心理教育
統合失調症やうつ病、発達障害についての知識をご紹介させて頂きます。
また不眠や不安との付き合い方なども学術的に紹介します。